三度目のファーストキス
微かな違和感-智
「あーあ。行っちゃったね。あはは。」
ホント、わかりやす。思わず笑みがこぼれる。
「ねぇ、いいの?彼氏違う子連れて帰っちゃったよ。」
目の前の不機嫌そうな美女に話かけた。
「……」
彼女は何も言わない。リョウタくんも気だるそうに彼女をじっと見ていた。
「ねぇ、ホントは付き合ってないでしょ。」
「……つきあってるなんて言ってませんけど。」
ぶすっとしたまま答えるユズハチャン。そんな表情もどきっとするほどかわいい。まじタイプだな。
「ふふ。その割にはめちゃくちゃ彼女面してたけど。」
「何が言いたいんですか。」
「べっつに~ただ騙されたなあって思っただけ。」
ユズハチャンは俺を思いっきり睨んでくる。わお、こわ。美女は迫力あるぅ。
「二人は中学からの付き合いなんだよね?ももちゃんとレンクンが仲良かったのに急に絶交状態になったみたいなんだけど、理由知ってる?」
俺は気になってたことをユズハチャンに聞いた。ももちゃんには何となく聞きにくい。
「いいえ。知りません。中学の時には全く関わりなかったですから。話してるのも見たこともありません。私もこんなに二人が仲良かったんだと思って驚いてます。」
「ふ~ん。そっか。」
リョウタクンのほうをちらりと見たけど関心なさそうに違う所を見ていた。まあ、いいか。過去に二人に何があったかなんて俺には関係ないし。
「てか、ユズハチャンはレンくんのこと相当好きなんだね。ふふ。でも、どうするの?そんなレンくんはももちゃんのこと好きみたいだけど?」
「……どうって…」
小さくつぶやく彼女に今日一番の笑顔を向けた。
「俺にしない?」
「は?」
大きな目がさらに大きくなった。
「レンくんやめて俺にしなよ。俺優しいよ。」
「はあ?」
さっきより大きい声で彼女が言った。
「遠慮します!私、そんな軽い女じゃないし!」
怒って席を立った彼女の腕を掴んだ。
「待って。ごめん、ごめん。ふふっ。冗談だから。怒った?」
「そんな冗談嫌い!帰ります!」
そのまま部屋を出て行ってしまった。その様子に大きな溜息を吐いてリョウタクンが席を立った。
「俺も帰ります。」
「あ?そう?気を付けて~。またね。」
俺は見もしないリョウタクンにひらひら手を振った。
「あはは。みんな若いなあ。うらやまし。」
自嘲ぎみにつぶやいた。
どうしよ。まだ飲み足りないのに。一人になっちゃった。
そんな時ケータイの着信音が。
【智~?約束終わった?】
「今日はごめんね。急に用事できちゃって。」
【いいよ。今から家来てくれれば、ゆるすぅ】
電話からは甘い声が聞こえてくすりと笑った。
「じゃ、今から行こうかな。」
【うん。早く来てね。待ってる。】
「何か食べたいものある?買ってくよ。」
【うふ。と・も】
ハートマークを付けて名前を呼ばれた。苦笑い。
「あはは。それは後で~。プリンでも買ってくね。」
今日はまだ家に帰りたくない。よかった。何かすっきりしない。彼女の家で飲みなおすか。このかすかな胸の痛みが何なのか俺はまだ気づいていなかった。
ホント、わかりやす。思わず笑みがこぼれる。
「ねぇ、いいの?彼氏違う子連れて帰っちゃったよ。」
目の前の不機嫌そうな美女に話かけた。
「……」
彼女は何も言わない。リョウタくんも気だるそうに彼女をじっと見ていた。
「ねぇ、ホントは付き合ってないでしょ。」
「……つきあってるなんて言ってませんけど。」
ぶすっとしたまま答えるユズハチャン。そんな表情もどきっとするほどかわいい。まじタイプだな。
「ふふ。その割にはめちゃくちゃ彼女面してたけど。」
「何が言いたいんですか。」
「べっつに~ただ騙されたなあって思っただけ。」
ユズハチャンは俺を思いっきり睨んでくる。わお、こわ。美女は迫力あるぅ。
「二人は中学からの付き合いなんだよね?ももちゃんとレンクンが仲良かったのに急に絶交状態になったみたいなんだけど、理由知ってる?」
俺は気になってたことをユズハチャンに聞いた。ももちゃんには何となく聞きにくい。
「いいえ。知りません。中学の時には全く関わりなかったですから。話してるのも見たこともありません。私もこんなに二人が仲良かったんだと思って驚いてます。」
「ふ~ん。そっか。」
リョウタクンのほうをちらりと見たけど関心なさそうに違う所を見ていた。まあ、いいか。過去に二人に何があったかなんて俺には関係ないし。
「てか、ユズハチャンはレンくんのこと相当好きなんだね。ふふ。でも、どうするの?そんなレンくんはももちゃんのこと好きみたいだけど?」
「……どうって…」
小さくつぶやく彼女に今日一番の笑顔を向けた。
「俺にしない?」
「は?」
大きな目がさらに大きくなった。
「レンくんやめて俺にしなよ。俺優しいよ。」
「はあ?」
さっきより大きい声で彼女が言った。
「遠慮します!私、そんな軽い女じゃないし!」
怒って席を立った彼女の腕を掴んだ。
「待って。ごめん、ごめん。ふふっ。冗談だから。怒った?」
「そんな冗談嫌い!帰ります!」
そのまま部屋を出て行ってしまった。その様子に大きな溜息を吐いてリョウタクンが席を立った。
「俺も帰ります。」
「あ?そう?気を付けて~。またね。」
俺は見もしないリョウタクンにひらひら手を振った。
「あはは。みんな若いなあ。うらやまし。」
自嘲ぎみにつぶやいた。
どうしよ。まだ飲み足りないのに。一人になっちゃった。
そんな時ケータイの着信音が。
【智~?約束終わった?】
「今日はごめんね。急に用事できちゃって。」
【いいよ。今から家来てくれれば、ゆるすぅ】
電話からは甘い声が聞こえてくすりと笑った。
「じゃ、今から行こうかな。」
【うん。早く来てね。待ってる。】
「何か食べたいものある?買ってくよ。」
【うふ。と・も】
ハートマークを付けて名前を呼ばれた。苦笑い。
「あはは。それは後で~。プリンでも買ってくね。」
今日はまだ家に帰りたくない。よかった。何かすっきりしない。彼女の家で飲みなおすか。このかすかな胸の痛みが何なのか俺はまだ気づいていなかった。