三度目のファーストキス
「よっしゃ。それじゃ飲み行こうぜ!」
「うん!行こう!」

 無事私の服を選び終わり、居酒屋に移動することに。私の右手にはさっき購入した薄緑色のワンピースが入った袋が。みんなが一生懸命選んでくれたワンピース。すごく愛しくて笑顔になる。

 「あそこ行こうよ。」

 柚葉ちゃんがレンくんに走り寄り、そっとレンくんの腕に手を添えた。その動きがすごく自然で、胸がチクりと痛んだ。自然と2人と距離ができる。

 「気になる?」

 いつの間にか真横に来ていた諒太くんが私を覗き込みながら小さい声で囁いた。

「えっ?何のこと?」
「なんか辛そうな顔してる。」
「そ、そんなことないよ。」

 思い切り笑顔で答えたけど、笑顔がひきつっているのが自分でもわかった。

 最近、私はおかしい。レンくんと柚葉ちゃんが仲のいい様子を見ると胸が痛む。二人が仲がいい事なんて昔から知っているのに。

「ふ~ん。まぁ、がんばって。」
「え?」
「俺はももを応援してるから。」
「……」

 かすかに微笑んで諒太くんはすたすた先に行ってしまった。やっぱり諒太くんはよくわからない。
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