三度目のファーストキス
嬉しさと空回りー蓮也
 メッセージアプリの和菓子のアイコンを見てにやにやがとまらない。アイコンの下には「もも」という文字が。

「今日は久しぶりに会えてうれしかった。また仲良くしよう。っと。」

 メッセージを送りベッドに寝転ぶ。

 ふっふっふっ。気を抜くと笑いが止まらなくなる。大声で叫びたい。今日は本当にいいことがあった。ずっとずっと会いたくてたまらなかったももに会えた。しかも昔と変わらないふんわりした雰囲気をまとったまま。

 今日一日のことを思い出す。お互い2限までで授業が終わると知り、お昼を一緒に食べて一緒に帰った。さすがに会ったばかりでぐいぐい行き過ぎかと思ったけど、そんなこと構ってられない。俺たちには約8年の空白時間がある。いきなり話しかけた俺にももは初めすごく戸惑っていた。無理もない。そうさせたのは俺のせいだから。この溝を埋めるためにも俺からがんがん近づいて行くしかないんだ。

 俺は今日の昼間のことを考えてまたにやにやが止まらなくなった。
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