三度目のファーストキス
「……」
「……」

 沈黙が続き…

 くしゅん…

 ももがかわいいくしゃみをした。

「あっ。ごめん、寒いよな。家帰ろう。送って行く。」
「いいよっ。大丈夫。レンくんのが濡れてるよ。」
「送らせて。もっとももと一緒にいたいんだ。」
「…っ!」

 顔をまっかにして口をパクパクしてる。

 あぅ。かわいい。抱き締めたい。触れたい。

 そんな衝動に襲われたけど、びしょ濡れの俺がそんなこともできず一生懸命耐えた。

 今日はこれだけでいい。誤解を解いて、俺の気持ちを伝えた。ももが会って話を聞いてくれた。これだけで十分だ。
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