訳アリ令嬢ですが、憧れの公爵様に溺愛されています!
 2日目のプレゼントから順に開けていきます。
 真珠のイヤリング、真珠のネックレス、ゴージャスとしか言えない深紅のドレス、ドレスに似合いそうな小さな宝石がちりばめられた赤の靴……。

「ちょっと震えが……警備強化、したほうが……。明日同じ馬車に乗りたくないです!どうしましょう?アンナ?!これ、国宝ですよね?私に似合いませんよね?間違えちゃったのかしら!?」
「お、落ち着いてください、お嬢様!」
「真珠とドレスは明日身に着けていきましょう。そのつもりで贈られたのだと思います。」

 最後の靴と一緒に、メッセージカードが入っていました。『ローズに会えるのを楽しみにしている』という短い一文のみで、これを履いてこいとは書かれていませんよ?

こんな派手なドレス着たことありません!ウィルの趣味なんでしょうか……。

「大丈夫です!ローズ様にお似合いになると思いますわ!」
「完全に負けると思います」

 何かの間違いかもと思いましたが、ドレスのデザインが、きちんと胸の傷痕が隠れるようなものだったので、私宛なのだろうと判断がつきました。

 ウィルのお嫁さんになれるだなんて、とってもとっても嬉しいけれど。
 もしかしたら、ウィルの理想の令嬢とは、私はかけ離れているのかもしれません。

 やっぱり胸の傷痕を見たら婚約破棄されるに違いないですね。そう思うと何故かチクリと胸が痛みました。

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