訳アリ令嬢ですが、憧れの公爵様に溺愛されています!
3嫉妬と失踪のカレンデュラ

☆準備していいんですか

 公爵家に来て1ヶ月が過ぎた頃、ウィルから帰還の連絡がありました。明日の夜、到着されるそうです!
 執事長のロバートとディナーのメニューを打ち合わせたり、メイド長のエミリーと邸内にお花を飾る計画を進めたりと、皆さんと一緒に任務を終えて帰ってくるウィルをお迎えする為、張り切って準備しています。

 私はアンナに言われて、明日着るドレスを選んでいるところです。

「ローズ様、こちらのドレスはいかがですか?」

 アンナが提案してくれたのは、水色のふんわり広がるドレス。裾まで幾重も切り替えがあり、華やかな装飾でありながら、色味は優しい水色で統一されています。とっても可愛いので私のお気に入りの一つです。
 でも、辛い遠征から帰還されるのだし、もう少しおとなしい方が良いのかしら……。

 思案顔で「うーん」とうなっていると、アンナが「ではこれは?!」と次々提案してくれます。

 今度はピンクのドレス。といっても優しいベビーピンクで、華やかな装飾もなく、お淑やかな雰囲気の一品です。でも子供っぽいかしら……。

「ごめんなさい、アンナの提案してくれるドレスはみんな素敵なのだけれど……」

 久しぶりにウィルに会えるのだと思うと、迷いに迷ってしまいます。頭を悩ませていると、アンナがふいに提案してくれました。

「そうですわ!ローズ様、カタリナ様にご意見を賜ってみては?」

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