嘘と愛
ベイディアには娘が1人いた。
その娘がイリュージュだった。
ベイディアの夫は日本人で、イリュージュはアメリは人と日本人のハーフだった。
秀人が父親になっても、違和感はなかった。
ディアナとは誕生日が1日しか違わない、同じ年の双子の姉妹になった。
初めは仲の良い姉妹だったが、ディアナは大学生になるとお金で男を利用するようになり、イリュージュが仲良くしている男に手を出して奪ってしまう事ばかりやっていた。
ディアナとイリュージュが高校生の時、秀人が病死した。
そしてベイディアはその1年後に病死している。
いずれも第一発見者はディアナだった。
2人とも心不全で亡くなっているが、陰では誰かに殺されたのではないかと噂されていた。
仕事で帰りが遅い秀人とベイディアに、ディアナはいつも夜ご飯を作っていた。
イリュージュは夜はバイトをしていて、バイト先でご飯を食べていたようだ。
両親が亡くなり、ディアナは残された財産で大学ヘ進学したが、イリュージュは自分の力で大学へ進んだ。
大学を卒業してから、イリュージュは弁護士になる道に進む事だけを考えていた。
ディアナは宗田ホールディングに入社して、幸喜に近づいて行った。
ディアナとイリュージュに残された資産は、10憶以上。
しかしディアナはお金使いが荒く、殆どもう使いつくしているようだ。
幸喜と一緒に生活するようになり、幸喜名義のカードも使いたい放題で、請求額は毎月高額で100万近い請求額が出る時もあったようだ。
イリュージュの方は、受け継いだ資産はほとんど使っていない状態である。
そして…
「え? 」
零が驚いたのは、イリュージュに母親の実家から受け継いだ財産分与で60億ほどのお金が受け継がれているのが目に入った。
ベイディアが亡くなったとき、ベイディアが両親から受け継いだ財産がそのままになっていてイリュージュに受け継がれている。
それが今から10年ほど前に発覚している。