嘘と愛
「零のどこがいけないって言うんだ? 俺には、勿体ないくらいだって思ているぞ」
「…私。…こんな姿で、みんなから好奇の目で見られていて…。ずっと、父親に捨てられたって思って生きて来たので。…こんな私なんて、誰も愛してくれないって思っていました…」
「そうだったのか。俺も、早くに両親亡くして養子に来ているから。その気持ち、良く判るよ」
「養子なんですか? 」
「ああ、俺は宗田家に養子として引き取られただけ。だから、いつでも抜けれるから」
大丈夫だよと、大雅は零に覆いかぶさりギュッと抱きしめた。
優しい大雅の鼓動を感じると、零はとても安心するのを感じた。
この人を…好きになってもいいんだよね?
この人の愛を信じていいんだよね?
私の事を捨てたりする人じゃないんだよね?
何度も自分に聞いて見た零。
「…俺の事、受け入れいてくれるか? 何があっても俺は、離れない。ずっと、護るから…」
返事の代わりに、零はそっと大雅の背中に手をまわした。
背中に零の手を感じた大雅は、そっと零に微笑んだ。
「もう何も心配しなくていい。俺が、零の事を護るから」
そう言われると、嬉しい気持ちでいっぱいになりまた零の目が潤んできた…。
大雅はそっと零のメガネを外した。
メガネを外すと。
零の瞳は緑色だった。
レンズの色で日頃は隠しているようだ。
「とっても綺麗な瞳だね」
「…本当ですか? …この瞳の色が、好きではなくて…」
「どうして? 」
「育ててくれた両親とは、違う色なので…」
「そんな事気にするな。綺麗な瞳だよ」
そう言われると、どこかコップレックスだった瞳の色も、なんとなくこれでいいのかもしれないと零は思った。
「愛しているよ、零…」
ゆっくりと大雅の唇が近づいてきて、零の唇と重なった…。
大雅の体温を感じながら重なった唇は、まるで体に電流が流れてきたように心地よくて。
何度も、何度も求めあった…。
軽く求め合うキスから、深く吸い上げられるキスに変わってゆくと、2人の愛し合うキスの音が寝室に響いてくる…。
「零…」
名前を呼ばれるとくすぐったくて、キスの感度が高まるのを零は感じた。
キスが深くなり、口の中いっぱいを大雅に犯されてしまうくらいで。
そのままスルっと下着の肩紐が下げられ、優しい大雅の指先が零の細い首筋をなぞった。
その感覚に零の体が大きく反応した。