嘘と愛
スルっと脱がされてしまうと、大雅の優しい唇が零の首筋に這って来た…。
そのまま鎖骨に…そして胸に降りてきた唇は、零の体に優しいキスの雨を降らせて行く…。
「愛しているよ…」
大雅が優しく囁いてくる…。
お互い、産まれたままの姿になり重なり合うと直接伝わる体温が懐かしく思え嬉しくなる…。
「零…」
優しく大雅が名前を呼んで…入り口から入ってきたのを感じた零。
力強くて優しい大雅を感じて体の奥まで愛を感じると、ギュッと背中にしがみ付てくる零。
2人の愛し合う音が寝室に心地よく響いている…。
久しぶりに繋がってみると。
大雅の優しさを改めて感じた零。
大雅も零がまだ深い何かを隠していることを感じた。
しかし、それでも零を護ってゆこうと大雅は思った。
静かな夜に外は綺麗な星が輝いている… …。
翌日から零は大雅にちゃんと帰る時間や、今の案件で遅くなる場合もある事を話すようになった。
内容まではさすがに話せないが、大雅はちゃんと理解してくれている。
今の抱えている案件が終われば、刑事を辞めるつもりだと零は言った。
大雅はそれまでは見守る事にすると言ったが、あまりにも危険なときはすぐにでも辞めてもらうと話した。
取り合えず1つの壁は取れたようだ。
お昼になり。
大雅は昨日椿から連絡が入り、お昼休みに駅前のカフェで待ち合わせすることになっていた為やって来た。
軽いランチを食べながら、大雅はちょっと怪訝そうに椿を見ている。
「で、話ってなんだ? 」
「いつもの事なんだけど、お金貸してもらえる? とりあえず3万くらいでいいわ」
いつもの事ながら、大雅は呆れたように溜息をついた。
「お前、自分も働いているだろう? 」
「そうだけど、もう全然ないの。どうしても買わなくちゃならないものがあるの。お願い」
縋るように手を合わせて頼み込む椿に、呆れたように溜息をついて、大雅は財布からお金を取り出した。
「俺も今は家を出ているから、それほど余裕がない。もう、お金を借りに来るのはこれが最後にしてくれ」
そう言って、大雅はテーブルの上にお金を置いた。
「有難う、助かるわお兄ちゃん」
椿はお金を受け取りと財布にしまった。