嘘と愛
繋がる愛
 幸喜がお風呂から出て来ると。
 バスローブから見える逞しい幸喜の体に、イリュージュは胸がキュンとなった。
 ゆっくりと歩み寄って来る幸喜に、鼓動が高鳴ってって行くのを感じた…。

 ふわりと幸喜の腕に包み込まれると。

 もうどうでもいい…
 一度だけなら、素直に…心が求める人に…身を委ねても許されるはず…。

 そう思ったイリュージュは、ギュッと幸喜にしがみついた。

「…ずっと連絡しなかったのは…怖かったからです。…貴方の事を、これ以上好きになるのが…」

 そっと、幸喜が優しくイリュージュの頭を撫でてくれる…。

「初めて傘を渡したあの日から、忘れられませんでした。二度目に会った時、胸がキュンとなって。連絡先をもらった時は、嬉しくて…。でも、姉の交際相手と知って近づいていはいけないと思ったから…連絡できませんでした…」
「そうだったんだね。…」

「今夜だけ…今夜だけでいいです。…貴方の事を、愛してもいいですか? 」

 潤んだ目で幸喜を見つめるイリュージュ。

「何を言っているの? 今夜だけじゃない。…ずっと、愛して。…僕も君を、ずっと愛してゆくから…」
 

 そのまま幸喜はいイリュージュを抱きかかえベッドに運んだ。

 熱い目で見つめられると、イリュージュの鼓動はどうにもならないほど高まって行った…。

「イリュージュ…愛しているよ。…」

 そっと唇が重なると、縛られていたものが全部、どかに飛んでしまうくらいだった。
 体の奥から感じる喜び…

 吸い上げられる唇から、幸喜がするっりとイリュージュの口の中に入ってきた。
 口のいっぱいを犯されてしまい、それだけでも胸がいっぱいになった…。

 深いキスをしながら…目と目が合うと、胸がキュンとなる…
 離れることが惜しいくらい、激しいキスをしながら、お互いを見つめ合って。

 目と目で「愛している」とコンタクトをとっているようで。
 言葉にしなくても気持ちが伝わってくる…。
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