嘘と愛
 スルッとバスローブが脱がされて…
 お互いが産まれたままの姿で体を重ねると、たまらない…。

「イリュージュ…愛している…」
 
 絹のように滑らかなイリュージュの肌に、幸喜の唇が降りてくる…。
 その唇はとても暖かく心地よい…。

「イリュージュ…」

 名前を呼びながら、幸喜はイリュージュの体を愛撫しながら唇を這わせてゆく…。
 感じるたびに反応するイリュージュが可愛くてたまらない…。


「あっ…」

 入口に触れられると、吐息を漏らすイリュージュ…。

 しなやかな指先で、ゆっくりと入り口を広げてくれる幸喜を感じて、イリュージュはギュッとシーツを握りしめた。

 入口から入って来る幸喜を感じて、激痛を感じたイリュージュが声を漏らすと。
 幸喜は自分の背中に、イリュージュの手を回させた。

「僕に掴まって、1人じゃないよ。大丈夫だから…」

 ぐっと奥まで入ってきた幸喜を感じると、また激痛が走ったイリュージュはギュッと背中にしがみついて爪を立てていた。

 背中にくいこんでくる痛みを感じると、幸喜は同じ痛みを分かち合えるようで嬉しさを感じた。

 痛みが走ったイリュージュだが、その痛みはだんだんと和らいできて、心地よさに変わって行った…。



 トクン…トクン…力強い幸喜を感じると言葉には表せない心地よさと、とても暖かなエネルギーを感じた。

 心から愛してくれている…とても暖かくて、力強いエネルギーで…。

 
 愛している…私もこの人を心から…。
 離れたくない…。
 イリュージュはそう思った。

 幸喜も同じことを感じていた。
 イリュージュと繋がって、今までイリュージュがディアナに、色々と奪われてきたのが見えてきた。

 欲しいものは全部ディアナに奪われ、手にしたものは横取りされていた…。
 それでもイリュージュは、自分の道をあきらめずに歩いてきている。
 そんなイリュージュを感じると、幸喜は感動で胸がいっぱいになった。
< 71 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop