嘘と愛
ついばむキスから求め合うキスに…
そして…
産まれたままの姿でお互い重なりあう体…。
穏やかな夜の時間…2人の愛し合う音が響いていた…。
それから数週間後。
季節は梅雨に時期に入ってきて、雨も多くなってきた。
栞の件は全くの誤解で、大雅は無実だったと判明され社内でもホッとしていた。
栞は会社を辞めた。
本来なら、栞は大雅に冤罪を着せようとした事で賠償金を請求されるか、大雅が訴え出れば逆に告訴されるところだったが、将来がある身である事も考慮され懲戒免職で事を片付けることになった。
栞の両親も謝罪に来て事を最小限にしてほしいと、頼み込んできたくらいだった。
示談金代わりに迷惑料として、大雅に500万円ほどのお金を栞の両親が支払い、今後一切関りを断ち近づかない事を約束させた。
そして栞は最後に、大雅に容疑を着せようと持ち掛けてきたのは椿だと打ち明けた。
椿とは前からの知り合いで意気投合していた。
しばらく離れてはいたが、偶然再会してしまった。
買い物依存症だった栞は、クレジット会社から多額の借金をしていた。
働いたお金は全て借金の支払いに回るばかりで、追いつかない状態が続いていた為、こっそりキャバクラで働いていた栞。
そのキャバクラで栞を枕営業に誘った男がいた。
一晩30万円支払うと誘った男に着いて行った栞だったが、その男は椿の手先だった。
お金に困ってキャバクラで働いている栞を知って、宗田ホールディングに勤務している事から大雅をはめられる存在だと見越した椿が男に大金を払い栞を誘い出したのだった。
枕営業をしていた現場を写真に撮られ、写真を会社にばらまかれたくなければ言う事を聞くように言われ椿に言われて大雅に近づいた。
そして営業部の恭平に、無理矢理迫られていると嘘の話を持ち掛け、あの日は自作自演をするために恭平に仕掛けていったが、大雅に全てを見破られ計画が壊れてしまった。
その事を椿に報告すると、椿は「使えない女」と言って、複数の男を連れてきた。
複数の男は栞に暴行してきた。
そして男達に暴行されたことを、大雅にやられたと警察に被害届けを出すように言われた栞はそのまま従った。
現在の椿の居場所は栞もハッキリとは分からないが、会社の研修と言っているがそれは嘘で仕事も休んでいて港近くのホテルに滞在しているようだと話してくれた。
大雅は話してくれたことに感謝をして、栞にこれ以上はもう何も関わらなくていいから、新しく出直すように言った。
栞は全てを話し、両親とともに田舎に帰って行った。