エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
深呼吸してから立ち上がり、矢城の横に立つ。
両手を強く握りしめたら、爪が手のひらに食い込み、少し痛い。
「私は出ていくつもりはありません。これからもここに置いてください。もっと法律の勉強をして、赤沼さんのように、矢城先生のお役に立ちたいんです」
真っ赤な顔で打ち明けたが、それは矢城が抱いた疑問の返事にはなっていないようだ。
「ありがたいな」と言いつつも、矢城は首を傾げている。
詩織はぎゅっと目を瞑って開けてから、ありったけの勇気を振り絞った。
「私、ずっと矢城先生のそばにいたいんです。先生が、好きなので……。あの、ご迷惑でなければ、もう少し先生に近い存在になりたいと思って……」
(言えた……!)
尻切れになってしまったが、なんとか想いを口にすることができた。
鼓動は倍速でリズムを刻み、酸欠になりそうな苦しさで呼吸が速まる。
パジャマの胸元を握り、そっと矢城の顔を窺うと、真顔で固まっていた。
けれどもそれは数秒だけで、すぐに普通の調子を取り戻した矢城が、事実確認をしてくる。
「好きというのは、敬愛? それとも恋愛感情?」
「恋愛感情です……」
両手を強く握りしめたら、爪が手のひらに食い込み、少し痛い。
「私は出ていくつもりはありません。これからもここに置いてください。もっと法律の勉強をして、赤沼さんのように、矢城先生のお役に立ちたいんです」
真っ赤な顔で打ち明けたが、それは矢城が抱いた疑問の返事にはなっていないようだ。
「ありがたいな」と言いつつも、矢城は首を傾げている。
詩織はぎゅっと目を瞑って開けてから、ありったけの勇気を振り絞った。
「私、ずっと矢城先生のそばにいたいんです。先生が、好きなので……。あの、ご迷惑でなければ、もう少し先生に近い存在になりたいと思って……」
(言えた……!)
尻切れになってしまったが、なんとか想いを口にすることができた。
鼓動は倍速でリズムを刻み、酸欠になりそうな苦しさで呼吸が速まる。
パジャマの胸元を握り、そっと矢城の顔を窺うと、真顔で固まっていた。
けれどもそれは数秒だけで、すぐに普通の調子を取り戻した矢城が、事実確認をしてくる。
「好きというのは、敬愛? それとも恋愛感情?」
「恋愛感情です……」