エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
助けなければと詩織の斜め後ろに立った時、彼女が初めて聞くような厳しい声を張り上げた。
「取材は受けません。撮った写真も消してください。私は承諾していないので盗撮ですよ。軽犯罪法第一条二十三号に抵触します」
(住居侵入してのトイレや風呂場の盗撮じゃないから立件はできない……いや、それより詩織ちゃん、そんな大きな声を出せたのか)
矢城の驚きはまだ続く。
ごにょごにょと言い訳しつつも、詩織からなんとか面白そうな話を聞きだそうと質問してくる記者。
記事のことしか考えてなさそうな相手に対し、詩織は右手を差し出した。
「名刺をください。あなたのお名前と所属先が知りたいです。ご存知かと思いますけど、私は法律事務所で働いています。これ以上、迷惑行為を働くなら、あなたを訴えます。二度と泣き寝入りはしないと決めたんです。嘘八百の記事を掲載したら、本気で闘いますので覚悟しておいてください」
男は名刺を持ってきていないと言って、助手席から運転席へ焦ったように移動した。
そして車を急発進させる。
詩織の手が車体にぶつかりそうで、矢城はとっさに肩を掴んで強く引いた。
「取材は受けません。撮った写真も消してください。私は承諾していないので盗撮ですよ。軽犯罪法第一条二十三号に抵触します」
(住居侵入してのトイレや風呂場の盗撮じゃないから立件はできない……いや、それより詩織ちゃん、そんな大きな声を出せたのか)
矢城の驚きはまだ続く。
ごにょごにょと言い訳しつつも、詩織からなんとか面白そうな話を聞きだそうと質問してくる記者。
記事のことしか考えてなさそうな相手に対し、詩織は右手を差し出した。
「名刺をください。あなたのお名前と所属先が知りたいです。ご存知かと思いますけど、私は法律事務所で働いています。これ以上、迷惑行為を働くなら、あなたを訴えます。二度と泣き寝入りはしないと決めたんです。嘘八百の記事を掲載したら、本気で闘いますので覚悟しておいてください」
男は名刺を持ってきていないと言って、助手席から運転席へ焦ったように移動した。
そして車を急発進させる。
詩織の手が車体にぶつかりそうで、矢城はとっさに肩を掴んで強く引いた。