エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
矢城にじっと見られているのは感じているが、顔をうつむけてしまう。

「怖い? 今日はやめるか?」

心配そうに問われて、詩織はハッと顔を上げた。

「そういうんじゃないんです。あの、なんていうか……こうしていないとどうにかなってしまいそうで、自分が怖いです。ドキドキして、先生に触れてほしいと思っている自分がすごく恥ずかしくて、この気持ちをどうしたらいいのか……」

正直に打ち明けたが、それは欲情を抑えきれないと白状しているようなもの。
詩織はさらに顔を火照らせて、瞳を揺らした後にまたうつむいた。

矢城の控えめな吹き出し笑いが髪にかかった。

「嬉しい反応だな。こらえる必要はないよ。感情の高ぶりのまま、俺に身を委ねていればいい。詩織ちゃん、こっち見て」

そろそろと顔を上げれば、矢城が優しい目で微笑んでいた。
頭を撫でられ、ほんの少し肩の力を抜くことができたかと思ったのに――。

「んっ!」

不意打ちのように唇を奪われた。
詩織の上唇と下唇を順に食んで、柔らかさを楽しむ矢城。
その後には唇を割って入り込まれ、熱い舌先にねぶられる。

< 168 / 245 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop