エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
矢城との交際をどうやって報告すればいいかと考えてしまったが、気を逸らしている暇はないようだ。

矢城が動き始める。
感触を確かめるようなゆっくりとした腰つきは、徐々に速まり、やがて欲望のままに強く激しく打ちつけられる。

快感が波のように押し寄せ、突き抜けそうになったところで、ピタリと動きを止められた。
うつぶせにされると、今度は後ろから刺激を与えられ、またしても高みに上る寸前でスイッチを切られる。

「矢城先生……」

もどかしい思いで呼びかければ、わずかに息を乱した彼がククと笑う。

「なにが不満?」
「い、いえ……」
「こういう時は、こんな風にねだればいいんだよ」

耳に口をあてるようにして教えられた言葉に、詩織は赤面する。

「言えないです……」
「たった四文字なのに?」
「い、い……意地悪」
「それも四文字で頭文字はあってるけど、違うなぁ」

矢城はどこまでも余裕たっぷりに詩織の反応を楽しんでいて、詩織は少々悔しくなる。

(こんなことで動揺しているようじゃ子供扱いされてしまう。先生に釣り合う大人の女性になりたいのに……)

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