エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
ここには家族のような仲間がいて、住人全員で美緒の成長を見守り、支えている。
詩織も微力ながら手助けをして、美緒の笑顔を守っていきたいと願っていた。
それを萌の母親に教えてあげたいところだが……まだ子供の美緒は同情されていることに少しも気づいていないようなので、今は余計なことを言わず、友達と過ごす一日を快く送り出してあげようと思う。
「手作りクッキー、羨ましいな。水族館、楽しんでね」
「詩織ちゃんも食べたいの? ポケットに入れてこっそり持って帰る?」
「え、勝手に持ち帰ったら駄目だよ。お土産をねだるのもやめようね。ええと……マナー的な問題というか、大人の事情というかで」
(まるで普段、おやつを食べさせていないみたいに思われてしまう……)
美緒は「ふうん」と言って、駅と反対方向に足を向けた。
「美緒ちゃん、待って。夕方まで出かけるなら、傘を持っていった方がいいかも。天気予報では午後から雨だよ。水族館では邪魔になるから、萌ちゃんの家に置かせてもらえばいいよ」
「持ったよ。折り畳み傘。この前、矢城先生が買ってくれたんだ。もう低学年じゃないから」
詩織も微力ながら手助けをして、美緒の笑顔を守っていきたいと願っていた。
それを萌の母親に教えてあげたいところだが……まだ子供の美緒は同情されていることに少しも気づいていないようなので、今は余計なことを言わず、友達と過ごす一日を快く送り出してあげようと思う。
「手作りクッキー、羨ましいな。水族館、楽しんでね」
「詩織ちゃんも食べたいの? ポケットに入れてこっそり持って帰る?」
「え、勝手に持ち帰ったら駄目だよ。お土産をねだるのもやめようね。ええと……マナー的な問題というか、大人の事情というかで」
(まるで普段、おやつを食べさせていないみたいに思われてしまう……)
美緒は「ふうん」と言って、駅と反対方向に足を向けた。
「美緒ちゃん、待って。夕方まで出かけるなら、傘を持っていった方がいいかも。天気予報では午後から雨だよ。水族館では邪魔になるから、萌ちゃんの家に置かせてもらえばいいよ」
「持ったよ。折り畳み傘。この前、矢城先生が買ってくれたんだ。もう低学年じゃないから」