エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
『詩織ちゃんズルい! 美緒の方が先に先生を好きになったのに!』
『ご、ごねんね。美緒ちゃんも大人になったらきっと、運命の相手に出会えると思うから――』
『美人でズルい! おっぱい大きくて優しくて可愛くていい人で、美緒も詩織ちゃんが大好きだから駄目って言えなくてズルい!』

怒っているのに大好きだと言ってくれて、詩織は喜んでしまった。

『美緒ちゃん、ありがとう。私も美緒ちゃんが大好きだよ』

美緒は依然として不満顔であったが、座り直してカルビを口にしていた。
それから渋々といった感じで隣の席の矢城に言った。

『矢城先生、詩織ちゃんと恋人になってもいいよ。結婚してもいいし』
『ん? 聞き分けいいな。サンキュ』

(け、結婚はまだ……いずれはしたいけど)

矢城は缶ビール片手に美緒の頭をわしわしと撫でていた。
すると美緒が――。

『でもね、美緒が大人になったら詩織ちゃんと離婚してね。美緒がお嫁さんになるの』
『聞き分けよくなかったな。交際始めたばかりで、結婚と離婚、再婚の話か』

矢城はおかしそうに笑っていたが、美緒はたぶん本気だろう。
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