エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
ただの従業員ではなく妻だと言えれば、もう数分、早く動いてくれたのではないかと、矢城は考えていたらしい。
プロポーズの理由はそこにあった。
詩織は喜んでいいのかわからず、眉尻を下げた。
交際相手を守らねばならないという責任や義務感だけで、結婚を申し込まれたと思ったからだ。
「先生、私は……」
この胸の内をなんと言葉にすればいいのか。
言葉を続けられない詩織に、矢城が息をついた。
「まだ結婚までは考えられないか。二十二だもんな」
「違うんです! 私は結婚したいです。先生の奥さんになれたらいいなと、憧れや夢のような気持ちで願っていました。だからすごく嬉しいんですけど……」
「けど?」
詩織は黙って矢城の横顔を見つめた。
整った高い鼻梁に顎のライン、首筋や喉仏、無精ひげも精悍な魅力にあふれている。
流れる街灯を映した瞳は、怪しいまでに美しい。
それは詩織を抱く時の艶めいた瞳に似ていた。
感度を高めようとわざと羞恥を煽るようなことを言ったり、意地悪になかなか高みに上らせてくれなかったりする時の彼を思い出して、詩織は頬を赤らめた。
プロポーズの理由はそこにあった。
詩織は喜んでいいのかわからず、眉尻を下げた。
交際相手を守らねばならないという責任や義務感だけで、結婚を申し込まれたと思ったからだ。
「先生、私は……」
この胸の内をなんと言葉にすればいいのか。
言葉を続けられない詩織に、矢城が息をついた。
「まだ結婚までは考えられないか。二十二だもんな」
「違うんです! 私は結婚したいです。先生の奥さんになれたらいいなと、憧れや夢のような気持ちで願っていました。だからすごく嬉しいんですけど……」
「けど?」
詩織は黙って矢城の横顔を見つめた。
整った高い鼻梁に顎のライン、首筋や喉仏、無精ひげも精悍な魅力にあふれている。
流れる街灯を映した瞳は、怪しいまでに美しい。
それは詩織を抱く時の艶めいた瞳に似ていた。
感度を高めようとわざと羞恥を煽るようなことを言ったり、意地悪になかなか高みに上らせてくれなかったりする時の彼を思い出して、詩織は頬を赤らめた。