エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む

相談室を少し狭くして矢城の寝室を広げ、水回りを新しくし、１LDKの生活空間を作ろうという計画であった。

詩織は目を丸くする。

「そんなに大掛かりな工事を私のために……いいんですか？」
「もちろん。俺の可愛い奥さんが快適に暮らせるようにしないとな。逃げられたら困る」
「逃げないですよ！　あの、ありがとうございます。すごく嬉しい……」

詩織に笑顔の花が咲いて、頬杖をついた矢城が満足げにそれを見ている。
赤沼が咳払いをして、「アツアツね」とナワポンが笑ったら、「ただいまー！」と元気な美緒の声がした。

半袖Tシャツとハーフパンツ姿の美緒は、よく日焼けしている。
一昨日、小学校の希望者だけのイベントで親子キャンプがあった。
矢城が参加費を出してあげて、細貝父娘はキャンプに行ってきたのだ。
日焼けはその時のものである。

今日は昼過ぎに、女の子数人で級友の萌の自宅に集まり、遊ぶと言って出掛けて行った。
その際の手土産は、詩織が用意したプリンだ。
笑顔いっぱいで帰ってきたので、きっと楽しい一日だったのだろう。

美緒はいつも通り、矢城の膝にのる。