ほろ苦彼氏の甘い口づけ
正直、最初はちょっぴり不安だった。

でも、危険レベルなら、彼氏の笑顔に癒やされるどころか、何の感情も抱かないはず。
むしろ、「ニヤニヤすんな、キモいんだよ」ってイライラすると思う。


料理を平らげた私達は、レストランを後にして徒歩で駅へ向かった。



「わぁ〜! 可愛い〜!」



電球で彩られた木々やハート型のオブジェが、広場のあちこちに飾られている。

クリスマスシーズンは青や白の寒色系が主だったが、バレンタインシーズンは赤やピンクといった暖色系が多い。



「綺麗だね。一緒に写真撮る?」

「いいの? なら、あそこで撮ろう!」



司の手を引いてハート型のアーチの元へ。

色は薄いピンクと濃いピンク。内から外へグラデーションに光っており、見ているだけで胸が高鳴りそうな雰囲気。

カップルが撮影するにはもってこいの場所だ。



「あの、すみません、写真撮ってもらってもいいですか?」

「はい。いいですよ〜」
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