ほろ苦彼氏の甘い口づけ
一昨日は少々攻めすぎたため、今日はこのお土産のように、さりげなくアピールをする予定。

なので、『キス』という直接的な単語を使わず、甘い雰囲気を作らなければならない。もちろん、あからさまなボディタッチも禁止だ。


難度がかなり高いけど……とっておきの秘策を用意したから、今度こそ上手くいくはず!


おぼんにお皿とマグカップ、フォークを乗せ、リビングのドアを開けた。



「お待たせ〜。新淵、カスタードとホワイトチョコ、どっち食べたい?」

「あー……ホワイトチョコがいいな」

「了解。じゃあ私はカスタードをいただきます」



テーブルの真ん中におぼんを置き、司の手元に取皿とマグカップ、フォークを並べる。


鉄仮面のままだけど、目が泳いでいて、ちょっぴり戸惑っている様子。

ふふっ、効いてるみたい。



「急にどうした? 何かドッキリでも企んでるの?」

「違うよ。昨日実家に帰った時、登校中の中学生を見て懐かしくなったから呼んでみただけ」

「登校中? 朝イチで帰ったの?」

「うん。しばらくバイトが休みになったから暇でね」
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