ほろ苦彼氏の甘い口づけ
「あはは。中2の時は覚えてる?」

「んー、チョコかココアのパウンドケーキだった気が……どっちだっけ」

「ココア。記憶力すごいね」

「いや、ちょうど昨日写真見返してたから覚えてただけ。美羽のほうが記憶力良くない?」

「いやいや、私も昨日見返してたから」

「ふはっ、予習までお揃いだった」



珍しく吹き出し笑いをした司。


おおお……こんなに笑ってるの、去年の文化祭でお笑い芸人のライブを一緒に観た時以来だ。

中学時代の写真を見ていたのなら、あの時の写真も目にしているかもしれない。これはチャンスだ。



「中1の時は先生にチョコもらったよね」

「あったあった。クラス全員に配ってたよな……って、めちゃくちゃ遡るな」

「えへへ。クリスマスの時も食べたよね! ケーキとプリン! 部屋中を風船で飾り付けてたなぁ」

「さすがお菓子好き。よく覚えてるな。確か受験生の時は、終業式の日にコンビニでケーキ買って、近くの公園で食べたんだっけ」

「そうそう! あと、中2の時も公園に行かなかった? こんな風に座って……」
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