ほろ苦彼氏の甘い口づけ
「実は……私も当日、パーティーするんだよね。ホテルで」

「ホテル？　うちが行くところで？」

「いや……ガラス張りの部屋があるところで」



そう答えると、頬に手を添えて乙女モードに早変わり。


ガラス張りの部屋といったら、考えられるのはシャワー室や浴室くらい。

だけど、顔が真っ赤になっているのならば、恐らく……。



「『チョコと一緒に私もどう？』って、誘うつもり」

「それってもしかして……」

「……うん。勇気、出してみようかな、って」

「マジ⁉　うわー！　頑張ってね！」

「とうとう愛菜も大人の階段を登るのかぁ。おめでとう！」



照れくさそうに言葉が紡がれると、2人も乙女モードに。

脳内に浮かんだ場所かなと思って聞いてみたら、予想通りだった……。


確か8月の花火大会で告白して付き合い始めたんだっけ。とすると……今月で半年経つのか。

いつの間にそこまで⁉　って驚いたけど、ちょくちょく会ってるのなら進展も早いだろうし。


それに半年なら、1年記念日の次に続く節目の時期。

今後の付き合い方について話し合ったり、胸の内を告白するには絶好のタイミングだ。
< 4 / 86 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop