ほろ苦彼氏の甘い口づけ
「おおーっ、リボンはいいね! プレゼント感が増しそう! 愛菜、リボン付きのブラウス持ってたよね?」

「持ってる! なら当日はそれ着ようかな〜」



ちょうど飲み干したタイミングで、着ていく服が決まった様子。


琴実が言ってるのは、多分ピンクのブラウスのことかな。

襟と袖がフリルになっていて、パッと見甘すぎる雰囲気ではあるんだけど、愛菜は可愛い系の顔立ちだから、全身甘々でも違和感なく着こなせると思う。



「よし、最後は美羽先生にキッスの仕方を教わろうかな!」

「へ?」



似合いそうだなと微笑んでいたら、またも突然話を振られた。



「うちも聞きたい! キス、まだしたことないし」

「あたしも。熟年カップルのキス事情、気になる」



ワクワクとキラキラに満ち溢れた眼差し。後ろは窓ガラスで逃げ場ゼロ。


えええ⁉ 今度は私⁉ でもってキスの仕方⁉

経験豊富な豊香はともかく、初心者の愛菜と琴実に教えるのは……。

人生で1度きりの初々しい瞬間を、私の意見を参考に迎えていいの⁉
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