サヨナラ、セカイ。
キモチが本物なら純愛。・・・なんて理屈は通らない。そこで止まれる人と止まれない人の違いはなんだろう。

子供ができたから、と不実な関係を正当化した前の夫。あのときから無意味になった。外れることに罪悪感を憶えない自分がいた。

だから先生を責める権利も資格も持ち合わせない。

ユウスケが言っていた。『やましいコトしてるから嫁に優しくできんだよ』。子煩悩なパパ役を全うできるのも、『サキのおかげだな』。

ものすごい理屈。でもそれでも、何も知らない奥さんと子供はシアワセ。それも愛だとシニカルに笑った男。

『だからお前を手放してなんかやらない』

いつか飽きられるまでそれでもいいと思ってた。先生がユウスケと同じなら。わたしはどっちを選ぶだろう。

・・・・・・どこか冷めた温度で。目の前の先生を見つめていた。
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