サヨナラ、セカイ。
カラダだけだったとしても。自分と繋がり続けてくれたユウスケの存在は小さくなかった。意味を考えなくなったわたしを縛って、意味を残してくれた人。でも。

先生はもっと違う意味をくれる人。愛せるかもしれない人。・・・そう信じたくなった、だから。

「・・・楽なところにずっといるより、そのひとを好きになったの。先のことは分かんないけど、自分で決めたことだから後悔はしないって思う」

ユウスケは沈黙してから低く呟く。

「・・・勝手に決めんな」

「わたしじゃなくたって」

「俺はお前がいいんだよ」

「もっと若くて都合よく会える子だって他にいるでしょう」

「遊びの女なんかいるか。お前だったから俺は・・・!」

苦そうに吐き捨てたその顔には苛立ちと悔しさ。・・・初めて見せた切なさが滲んでた。
< 38 / 106 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop