まるでSFのようだった
最初のうちは自衛隊が出動し、戦闘機やら戦車やらで彼奴らを一掃しようとしたらしいが、当時の人間の技術など、彼奴らの前では無力にも等しかった。

第二次世界大戦以降、あれほど禁忌とされた核爆弾をぶっ放しても、それは変わらなかった。

自衛隊は壊滅状態に陥り、他国からの援助の軍隊すら、帰国できる者は少なかった。

そんな状態が数年続き、じわじわと彼奴らの侵略が進む中、とある科学者がひとつの有効策を見つけ出した。


『ただの銃弾や爆弾は効かない』

『“適応者”の“気”が籠った武器を用いることで損傷を与えることが可能になる』


今聞いても、どんな安っぽいSFだと、鼻で笑ってしまいそうになる。

ただ、当時の大人はそれを本気で信じたし、実際、それ以外にあの状況を打開する方法がなかった。

そこからの進みは、今までがなんだったのかと呆れるほど早かった。
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