兎月鬼~とげつき 月が奇麗ですね~
……それならそれで、都合がいい。昼間寝てるのも、一人で住んでいるのも、人間の陸から見ると変わっているらしいから、それを誤魔化す手間が省けるだろう。
陸は次に来る時は、親友だっていう勇樹を連れてくると言って帰った。
……ああ、そういえば。また彼を食べる事が出来なかった。
でも、また来るといっていた。陸はきっと、本当にまた来てくれるだろう。何だかそんな気がしてる。
だから、焦らなくても大丈夫。チャンスはきっとまだあるのだから……
――――次の日は雨だった。
朝から降り続く雨は太陽を隠してくれる。晴れた日より動きやすいから、この洋館の掃除をする事にした。また昨日みたいにホコリを舞い上げ、陸に嫌な顔をされないように。
夕方になっても雨は降り続いていた。お陰で今夜は月は見えそうにない。掃除は随分、はかどったのだけど。
陸は夕方を過ぎても現れなかった。
まあ、毎日来る、とは言っていなかったけど。せっかく掃除を頑張ったのに、何だか拍子抜けだ。
彼が来ないのなら夜に街へ出掛けようかとも思ったが、この雨だ。濡れるのはあまり好きでは無いので、今日は大人しくしている事にした。
地上へ来て、もう三日。そのうち二日は陸と会って話していたから、誰とも話さず一人でいるのは少し寂しいような、不思議な気分だった。
明日は陸、来るかな……
◇
陸は次に来る時は、親友だっていう勇樹を連れてくると言って帰った。
……ああ、そういえば。また彼を食べる事が出来なかった。
でも、また来るといっていた。陸はきっと、本当にまた来てくれるだろう。何だかそんな気がしてる。
だから、焦らなくても大丈夫。チャンスはきっとまだあるのだから……
――――次の日は雨だった。
朝から降り続く雨は太陽を隠してくれる。晴れた日より動きやすいから、この洋館の掃除をする事にした。また昨日みたいにホコリを舞い上げ、陸に嫌な顔をされないように。
夕方になっても雨は降り続いていた。お陰で今夜は月は見えそうにない。掃除は随分、はかどったのだけど。
陸は夕方を過ぎても現れなかった。
まあ、毎日来る、とは言っていなかったけど。せっかく掃除を頑張ったのに、何だか拍子抜けだ。
彼が来ないのなら夜に街へ出掛けようかとも思ったが、この雨だ。濡れるのはあまり好きでは無いので、今日は大人しくしている事にした。
地上へ来て、もう三日。そのうち二日は陸と会って話していたから、誰とも話さず一人でいるのは少し寂しいような、不思議な気分だった。
明日は陸、来るかな……
◇