兎月鬼~とげつき 月が奇麗ですね~
だから勇樹は、ここの所いくら陸が誘ってもここへは来なかったのだという。その『彼女』と学校が終わったらいつも会っていたそうだ。
「この前街でナンパ……あ、いや……知り合って、俺も彼女も気が合ってさ! めちゃくちゃ可愛い子なんだ! それでさー、兎月ちゃん!」
急に名前を呼ばれてびっくり。勇樹は私にポテトチップスを袋ごと差し出した。
「今度、彼女もここへ連れてきていいかな? 兎月ちゃんも女の子の友達出来た方が楽しいでしょ?」
「う、うん……別に構わないけど……」
人間の女には興味はないけど、別にいても差し障りはないかな。人間の女っていうのがどんななのか、ちょっと見てみたいし。
承諾してポテトチップスを一枚受け取ると、勇樹は子供のように両手を上げて喜んでいた。
……でもそれで、人間は三人目。女は別に食べても意味は無いけど、腹の足しぐらいにはなるだろう。
何だか少し、楽しみだった。
その後は、勇樹がキャッキャッと騒ぎ、陸がそれをたしなめたり呆れたり。そしてポテトチップスとコーラが無くなる頃に、二人は帰っていった。
帰る時陸は「勇樹がうるさくて、ごめんな」ってこっそり私に謝ってくれたけど……私も何だか楽しかったからそう言うと、彼は嬉しそうに笑った。
「この前街でナンパ……あ、いや……知り合って、俺も彼女も気が合ってさ! めちゃくちゃ可愛い子なんだ! それでさー、兎月ちゃん!」
急に名前を呼ばれてびっくり。勇樹は私にポテトチップスを袋ごと差し出した。
「今度、彼女もここへ連れてきていいかな? 兎月ちゃんも女の子の友達出来た方が楽しいでしょ?」
「う、うん……別に構わないけど……」
人間の女には興味はないけど、別にいても差し障りはないかな。人間の女っていうのがどんななのか、ちょっと見てみたいし。
承諾してポテトチップスを一枚受け取ると、勇樹は子供のように両手を上げて喜んでいた。
……でもそれで、人間は三人目。女は別に食べても意味は無いけど、腹の足しぐらいにはなるだろう。
何だか少し、楽しみだった。
その後は、勇樹がキャッキャッと騒ぎ、陸がそれをたしなめたり呆れたり。そしてポテトチップスとコーラが無くなる頃に、二人は帰っていった。
帰る時陸は「勇樹がうるさくて、ごめんな」ってこっそり私に謝ってくれたけど……私も何だか楽しかったからそう言うと、彼は嬉しそうに笑った。