兎月鬼~とげつき 月が奇麗ですね~


「それに、あんたがどう思おうが、あたしは食べるわよ! これがたぶん、最後のチャンスなんだから……!」


 そうだ……勇樹を食べなければ、美兎は……

 私は彼女の言う『情』を払うように二、三度頭を振った。もやもやとした気持ちは無くならなかったが、何とか切り替えて。


「分かった……! 私、陸と鳥の方へ行くわ!」


 そう言うと、美兎は満足そうに微笑んだ。
















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