#OVER TIME



「えぇっーー!!お寿司食べたいぃぃぃい!!!」

空港からホテルに向かうバスの中で、日程表が配られると、夕食はホテルにて会食になっていて、未茉は大声でただをこねる。

「明日の試合の為、生物は一切禁止だ!」
手を罰にしてきっぱりといい放つ顧問の新米斎藤に、
「えー…」
部員達も楽しみにしていたのか、バスの社内ではちらほらとがっかりした声が飛んだ。

「北海道来て生物が食べれないってどういうことだよ!!ありえねぇだろうが!!」
そんな中でも猛反対するのは、もちろん未茉で
「仕方ないだろ!野村監督からの指令なんだから…君達の体調を考えて」
「そんなこと言ってお前は隠れて美味しいもの食べるんじゃねぇだろうな!?」

ギッギクッ・・・・
まるで図星かのようにうろたえる新米斎藤の様子に、
「ちっ違…決してすすきののお姉さん達と美味しいものを食べに行こうと考えてるわけでは…!!」

「ぬぁぁあにぃぃぃいっ!!!」
ぶちギレた未茉が新米に詰め寄ると、


「あっ!白石さん!!湊君だよ!!」

ホテルの外観が見えて、入り口には翔真が女バスのバスを待ちわびていたように立っていて、一年の相沢さんが指差して教えてくれる。


「未茉。」

白い息に温度差で少し赤く染まったそ頬に、嬉しそうに出迎えてくれるのは、未茉の彼氏の湊翔真だ。

「おう。」
それどこじゃない未茉は、ふてくされた顔で答えホテルの中へ入ってく。

「え・・・・。」
付き合いたての翔真の思い描く妄想によると、
“うぉーいっ!、翔真ぁ!!会いたかったぜぇ”
“うん!俺も”
全くの見当違いに・・・

「え、なんであんなに不機嫌なの・・?」
せっせと荷物を運ぶキタローに尋ねると、
「北海道の生物が食べれなくて怒ってる。」
分かってはいたけど、食べ物に負ける翔真・・
「風邪ひくなよ。」
持っていたホッカイロをキタローに支給される気の毒な翔真であった・・


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