#OVER TIME




ニューイヤーカップ札幌会場に明徳男子一同は到着すると、たくさんの観客で観客席は埋め尽くされていた。

「あ、あれウィンターカップルの男の子の方じゃない?」
「ほんとだ。大きいし生の方がイケメンだね」
すっかり有名人になってしまった翔真を観客達も興味深そうに見ている。
「対戦相手は、蔵井かぁー厳しいねぇ。」
「わっ、栗原さん来た来た!!かっこいい!!」
女子達のお目当ては、桐生嵐に次ぐ抜群の知名度を誇る栗原想汰だった。

明徳男子の一発目の初戦の相手は厳しくも、一昨年全国優勝し、去年準優勝しているチームが会場入りするとその貫禄からか視線をさらってく。


「想汰さん、こんにちは。お久しぶりです。」

アップのコートにやってきた翔真は挨拶をしに蔵井ベンチに向かった。
「翔真、久しぶりだな!」
笑顔で握手を交わし合う二人に、明徳の男バスの面々は驚きを隠せない。


「想汰さん、未茉と何の繋がりですか?」

「ぷっ!!」
思わず想汰は吹きだしてしまった。
「おいおい、お前第一声がそれかよ!お前そんな奴だったっけ?」
「あ、すみません・・」

「俺、星河兄弟と仲良しなんだ。オールスターやユース時代でも一緒に色々行ったし。そのつてで未茉とも交流あるってわけ。」

「ああ…なんだ。そうだったんですね。」
あからさまにほっとする様子に、
「付き合ってるんだもんな?ウィンターカップルってネットや動画で散々言われてるらしいな。」
「そうなんですか?」
相変わらずボケッとしてる様子に、苦笑いを浮かべるも何やら感慨深そうだった。
「まさかお前が未茉とくっつくとはな。」

「え…、もしや想汰さんも…」
嫌な予感を隠せずにいると、
「ああ、わりぃ俺未茉のちっせえ頃から知りすぎて、妹…いや、弟にしか見えないんだ・・・」
「・・・。」




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