#OVER TIME




「男子、負けたかー。悔しいなー。」

本日は試合のない未茉がホテルの近くで練習してると、ネットでハイライトを見てぼやいた。
「あんな完封負けしたの初めて見た…全国の壁にぶち当たった感じ…」
相沢さんが険しい顔をするも、

「もっと戦えたはずだぜ。んー、あと一歩だと思うけどなぁ。」
歯がゆさが取れない未茉だったが、明日の試合に備えることだけを考えていて、一足先に帰宅となってしまった翔真からの珍しく連絡がない日を特になんとも思わずにいた。


「よくもうちの男子をこてんぱにしてくれたな!」


ホテルに戻ると通りかかった蔵井高校バスケ部の集団に未茉はメガホンで、話しかけた。

「未茉!」
想汰が驚いて振り返ると、二人は顔を見合わせて笑っていた。

「女子も明日試合だろ?」
「おう!想汰も決勝だろ?」
「ああ。福岡。」
「嵐んとこか!?」
「ああ。忙しいらしくて、今日北海道に到着するらしい。」
「そういやLINEが来てたかもな…」←既読無視




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