#OVER TIME
「おめぇは俺のLINEも電話無視かよ!?」
夕食会場から移動し、静かな通路のベンチに腰かけると上着で軽く叩かれた。
「いってぇなー!読んだよちゃんと!」
「返事返せよ返事!!!生きてんのか心配になるだろ!?」
荒々しい態度で登場の桐生嵐は、こう見えて全国高校生ナンバーワンプレイヤーであり、高校生で唯一日本代表に選ばれ小学校から不敗神話を持つ圧倒的強さを誇る未茉の幼馴染みだ。
「湊とは別れたんだろーな!!?」
「は?別れるわけねぇだろ。」
「一回戦早々に負けちまうような奴とまだ続いてんのかよ!」
嵐は未茉のことを生まれた時から大好きだと豪語し、最近告白されたのだが、兄弟としか思っていない未茉に振られている・・・
「お前はまだあたしのこと好きなのかよ。」
「あっ…当たり前だろうが!!俺はバスケもお前も同じくらい好きだ…」←顔真っ赤。
「嘘つけ。お前が一番好きなのはバスケだろ。」
「んあっ!?」
「それでいいんだよ。わざわざ嘘つくな。」
「…湊は、バスケよりもお前…」
「あ?」
なんとなくカッとなってしまった嵐は、未茉の両肩を掴み、尖らせた唇を接近させてくる
「おいっ!!やめろ!!キスすんじゃねぇ!!」
嵐の唇を手で塞ぎ力を入れてつきはなすと、
「ぶっ!キスならいいって前に言ってただろーが!!」
「したら怒られんだよ!翔真に」
未茉の怪力により、もがもがしながらその手を振り払われるも、中々唇まで届かなくてイライラする嵐。