#OVER TIME
元旦早々にニューイヤー大会だった為、今日1月5日から明徳学園の練習初めの前に・・・・
「うっわっ、足痺れる!!!」
「こらっ白石静かにしろ!!」
明徳学園名物のオカルトオトメンマネージャーのキタローの家の神社へバスケ部員全員で勝利祈願に来ていた。
本堂に通されてお経を唱えるキタローの後ろで部員達は一列に並ばされ、正座をさせられている。
「もぉ無理ぃい!!」
もちろんいうまでもなく、じっとしてられない未茉は、痺れる足を浮かせて涙を堪え暴れて野村監督に怒られるも、
「俺も…」
「俺もギブ!!」
続々に男子達は情けない声で未茉につられるように倒れていくが・・・
ビシバシッ!!!
「この根性なしめ。これくらいで音をあげるとは…!全国優勝目指すのだろう。」
少しでも動いた男子部員の肩にキタローは、片目をキラリと光らせて怠け者に竹刀を振り上げ叩いていく。
「イッてぇ!!なんで俺だけぇ!!白石なんて大の字で寝てんじゃねーか!!!」
足を崩した自分だけ叩かれる理不尽な結城は、キタローに怒鳴り散らす。
「馬鹿者。彼女と己を一緒にするんでない。」
「一緒だろうがぁぁあっ!!」
ビシバシッ!!!
「いってぇええ」
「ふふふ。根性なし結城め。この私はこれしきのことで挫けんぞぉお」
足の痺れを押さえ我慢をしながらニヤニヤとどや顔で結城を見るのは、女子の顧問の斎藤(教師一年目の独身)だ。
「名古屋第一高校のコーチ陣の若い女子先生達4人からは、全国の舞台で戦う時にはまたぜひご飯に行きましょって誘われちゃったしっ!」
「高級イタリアン奢らされてて財布空っぽだって騒いでなかったっけ・・・」
聞いていた三上がボソッと呟くと、
「完全にいいように使われてるだけなのに気づいてない幸せ者だな・・」
男バスキャプテンの橘もひきつっている・・・
「俺、オスグットの左膝が限界…わり、ちょっと抜ける」
そんな周りの声も耳に入らない位、翔真は膝を押さえている。
「おお、大丈夫か?翔真」
「ああ。」
「俺の夢は夫婦共働きの高校教師同士の結婚!!全国の舞台で大活躍して、大注目浴びて、インスタのフォロワー増やして可愛くて綺麗な最高の奥様捕まえ…」
華々しく宣言している隣でこそっと抜ける翔真が斎藤の痺れる足の指を踏んでしまい、
「あ、すみません斎藤先生。」
「うっぁぁあああっ!!!ねぁにするんだぁぁぁあ!!湊ぉぉお!!!」
大声で怒鳴る斎藤顧問の背後では、竹刀を持ったキタローが目を光らせていた・・・。