#OVER TIME
「うひょぉおーいっ!!!大吉だぁぁあ!!見ろよ翔真!!」
祈祷を終えて、外の境内に出ると一目散におみくじをひいた未茉は、翔真の腕を引っ張った。
「ほんとだ。凄い」
どれどれ。と未茉の手にしたおみくじを覗き込むと
「願望、時来れば叶う。努力せよ。」
「おう!努力すれば全国優勝ってとこだな!」
自信満々にガッツポーズをする未茉に、
「恋愛、隠し事をせず思いやりを大切に。」
「おう!ん・・・?」
「え、なに?その何かひっかかる顔は・・身に覚えあるの?」
「ああ、隠してはねぇーけど、この前ホテルで嵐にキスされてよ。」
「えっ!?」
「お前他の男とキスするの駄目だって言ってたろ?だから報告な。で、続きは?」
「事後報告だしそれ・・・」
どうしていいのか分からず消化不良の翔真・・。
「縁談、多くて困ることあり。静かに心を定めなさい。・・・なんっつー…」
正式に付き合ったのにも関わらず、前途多難が自らにも降りかかるような展開に益々頭を抱える翔真。
「ん?どうした?」
そんな彼の苦労を知るよしもない未茉は、
「翔真のおみくじはなんだったんだ?」
「まだ読んでな…」
色々と気持ちの整理ができずにいて言いかけるも、手にしていたおみくじをひょいっと取り上げられると、
「こきち!?おまっ、前途多難だな!?」
「小吉ね…」