#OVER TIME






「くぁー!!スッキリしたー!!」

スッキリ爽快でトイレから出ると、試合中だからか誰もいない通路に出ると、
「ん?」
招待席入り口で入るか入らないか迷うように、もぞもぞしている女子高生らしき姿があった。

「おい?トイレか?」
未茉が覗き込むと、
「いえ…!違いま…」
焦って振り向いた女の子が…

「えっ!!未茉!!?」

お互いに目を丸くして驚いた。

「らら!?」

ららは、インターハイ全国準優勝の名古屋第一のマネージャーで、翔真の同中だったよしみから夏の合宿で知り合って意気投合したのだ。


「まさかこんなとこで会うなんてよ!!ビックリだぜ!!」
「そっか…監督のお父様だもんね…。いておかしくないよね。」
会えて嬉しい未茉とは違い、なんだかそわそわと落ち着かない様子のららに、

「どうしたお前!元気ねぇじゃん!!つーか、わざわざ名古屋からこの試合観にきたのか!?あっ、そっからら、嵐が好きなんだもんな!」 

「あ…うん、いや…うん。」
「あんだよ言ってくれりゃうち寄って泊まっててくれりゃよかったのに!!」
ばしばしっ!と肩を叩き、再会を嬉しそうにする未茉がららの手を引っ張り席へと戻ってくると、

「え…新川さん!?」

翔真は驚いて顔を上げた。
「あー…、うん。久しぶり…湊」
なんだか歯切れ悪そうな彼女の様子に、ベンチにいる想汰の姿を見てなんとなく思うことはあった。



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