都合のいい女になるはずが溺愛されてます
いざ開園して1つ目のアトラクションに向かう。
でも絶叫系は人気だから既に列ができていた。
とりあえず並びながら作戦を立てることに。


「次はジェットコースター?」

「いや遠いんで別のアトラクションから攻めます」


真剣に伝えると佐久間は急に笑いだした。え、私変なこと言った?


「俺らめっちゃ張り切っててウケるね」

「……ですね、でもこういうのは楽しんだもの勝ちと思います」

「俺はいつになくワクワクしてる仁奈を見て、すでに楽しい」

「だって人生で一度は体験してみたかったんです、遊園地デート」

「へぇ、いつもより素直な上にかわいいこと言うじゃん」


小声でそう言われてドキッとしてしまう。
確かにいい大人がはしゃいで、とは少し思うけどせっかくだから全力で楽しみたい。

アトラクションの待ち時間は退屈、と言うけど佐久間はよく喋るタイプなので全然退屈しない。
むしろ朝からこんなに飛ばして後でキツくならないかなと心配になった。
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