都合のいい女になるはずが溺愛されてます
ショーを見て休憩して、夕方には乗りたかったアトラクションを全制覇した。
佐久間は途中、キツいと言っていたのに日が暮れるまで一緒にいてくれた。
「楽しかったね」
「はい、ありがとうございました」
「こちらこそ。あんなはしゃぐ仁奈見るの初めてだからおもしろかった」
「そんなに楽しそうでした?」
「写真見返したらわかると思うよ。後で送るわ。
……つーか眠い。俺が寝ないように見張ってて」
さすがの佐久間も疲れたらしく、それ以降は喋らなかった。
でも佐久間との沈黙は苦じゃない。
沈黙も怖くないくらい、ずっと一緒にいるんだと思ったら少し得意げな気持ちになった。
「あー、疲れた。ちょっと寝かせて」
お土産を置くために先に佐久間の家に来た。
家に上がってリビングに直行した佐久間はソファに寝そべる。
そんなに疲れてるなら送ってもらうのは申し訳ないな。
「佐久間さん、私ここから電車で帰ります」
「いいよ、送るから仁奈もゆっくりしよう」
「大した距離じゃないので大丈夫です」
「……じゃあ玄関まで送る」
腕を広げて誘ってきた佐久間から目を逸らす。
すると佐久間が起き上がったので私は玄関に向かった。
「佐久間さん、今日はありがとうございました。
遊園地デート、ちょっとした夢だったので叶って幸せです」
「えー、もうこれ夢の中?仁奈がやけに素直なんだけど」
「夢じゃないです。じゃあまた月曜日に」
「うん、じゃあね……」
靴を履いていざ帰ろうとしたら、何か言いたげな佐久間と目が合った。
でもどうせ大したことじゃないだろう。
そう思って背を向けると突然、後ろから抱きしめられた。
「仁奈、帰らないで」
佐久間は途中、キツいと言っていたのに日が暮れるまで一緒にいてくれた。
「楽しかったね」
「はい、ありがとうございました」
「こちらこそ。あんなはしゃぐ仁奈見るの初めてだからおもしろかった」
「そんなに楽しそうでした?」
「写真見返したらわかると思うよ。後で送るわ。
……つーか眠い。俺が寝ないように見張ってて」
さすがの佐久間も疲れたらしく、それ以降は喋らなかった。
でも佐久間との沈黙は苦じゃない。
沈黙も怖くないくらい、ずっと一緒にいるんだと思ったら少し得意げな気持ちになった。
「あー、疲れた。ちょっと寝かせて」
お土産を置くために先に佐久間の家に来た。
家に上がってリビングに直行した佐久間はソファに寝そべる。
そんなに疲れてるなら送ってもらうのは申し訳ないな。
「佐久間さん、私ここから電車で帰ります」
「いいよ、送るから仁奈もゆっくりしよう」
「大した距離じゃないので大丈夫です」
「……じゃあ玄関まで送る」
腕を広げて誘ってきた佐久間から目を逸らす。
すると佐久間が起き上がったので私は玄関に向かった。
「佐久間さん、今日はありがとうございました。
遊園地デート、ちょっとした夢だったので叶って幸せです」
「えー、もうこれ夢の中?仁奈がやけに素直なんだけど」
「夢じゃないです。じゃあまた月曜日に」
「うん、じゃあね……」
靴を履いていざ帰ろうとしたら、何か言いたげな佐久間と目が合った。
でもどうせ大したことじゃないだろう。
そう思って背を向けると突然、後ろから抱きしめられた。
「仁奈、帰らないで」