都合のいい女になるはずが溺愛されてます
玄関でそういう雰囲気になってしまって、佐久間がさっきまで寝転がっていたソファに誘導された。
キスをしながらお互いの身体に触れ合っていたら、急に不服そうな顔をされた。


「ソファ狭いからベッド行かない?」

「え?せめてお風呂入ってから……」

「無理、我慢できない」


一日中歩いて汗をかいたのに、シャワーも浴びずにするのは勘弁してほしい。
でもスイッチが入ってしまったらしい佐久間から逃げられなくて、半ば強引にベッドに引きずられて組み敷かれた。


「汗くさいから嫌です」

「俺も一緒だから大丈夫」


否定しても無理やり丸め込まれて、愛撫を再開される。
好きな人に触れられたら受け入れる準備なんてすぐできてしまう。

でもこんなに好きなのに好きって言えない。
いつ終止符を打たれるか分からないから怖い。

苦しいよ、佐久間。
この想いを心に秘めるのは、もう苦しい。
泣きそうなのは耐えきれない証拠。

顔を見られたくなくて私は四つん這いの体勢をとった。


「……後ろから、して」

「珍しい、仁奈からねだってくるなんて。この体位気に入った?」

「ん……あぁっ!」


佐久間の熱が直接触れたと思ったらすんなり奥まで受け入れてしまった。
少し動いただけで頭がクラクラする。


「おく、ダメ……っ」

「奥当たるのきもちーね」

「う、んん……きもち、いい」

「どしたの?すっげえ素直じゃん。仁奈の好きなところ責めてあげる」


奥を突かれる度、電流が頭を流れるような強い快感に襲われる。
ここが佐久間の家だということも忘れてみっともなく喘いで、快感に身を委ねた。
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