都合のいい女になるはずが溺愛されてます
「泣くほど俺のこと好き?」
「たった今嫌いになりました」
「出た、かわいくねー」
聞き慣れたその言葉。いつまでも素直になれないけど、そんなあまのじゃくな部分を佐久間はお気に召しているらしい。
こんな時佐久間は素直になれよ、と言わんばかりに意地悪く笑う。
しかし今回は違って、私の目をしっかり見ていつもと違う笑い方をした。
「でもそういうとこひっくるめて全部好き」
思わず言葉を失った。
そんな人懐っこい笑顔で言われたら好きになるに決まってる。
絶対、ほかの人に佐久間のかわいい部分見られたくない。
「あは、すっげーマヌケ面」
「だって、急にそんなこと言われたら驚くに決まってます」
「仁奈もずいぶん表情やわらかくなったよね、よかった」
目を細めて笑う佐久間が愛おしい。
母性をくすぐる笑みにたまらず目を背けた。
「にしても、結構仲良くなったつもりなのに警戒されてたとは。
道理で口説いても反応が曖昧なわけだ」
「いろんな女の人に同じこと言ってるんだろうと思って」
「あー、その辺の信頼関係から築いて行かないとだめか」
佐久間は私の手を包み込むとにぎにぎ触ってくる。
「俺、頑張るから見てて」
清々しい笑顔で決意表明した佐久間。
この日、私は初めて佐久間を信用してみることにした。
「たった今嫌いになりました」
「出た、かわいくねー」
聞き慣れたその言葉。いつまでも素直になれないけど、そんなあまのじゃくな部分を佐久間はお気に召しているらしい。
こんな時佐久間は素直になれよ、と言わんばかりに意地悪く笑う。
しかし今回は違って、私の目をしっかり見ていつもと違う笑い方をした。
「でもそういうとこひっくるめて全部好き」
思わず言葉を失った。
そんな人懐っこい笑顔で言われたら好きになるに決まってる。
絶対、ほかの人に佐久間のかわいい部分見られたくない。
「あは、すっげーマヌケ面」
「だって、急にそんなこと言われたら驚くに決まってます」
「仁奈もずいぶん表情やわらかくなったよね、よかった」
目を細めて笑う佐久間が愛おしい。
母性をくすぐる笑みにたまらず目を背けた。
「にしても、結構仲良くなったつもりなのに警戒されてたとは。
道理で口説いても反応が曖昧なわけだ」
「いろんな女の人に同じこと言ってるんだろうと思って」
「あー、その辺の信頼関係から築いて行かないとだめか」
佐久間は私の手を包み込むとにぎにぎ触ってくる。
「俺、頑張るから見てて」
清々しい笑顔で決意表明した佐久間。
この日、私は初めて佐久間を信用してみることにした。