都合のいい女になるはずが溺愛されてます
「……まだ佐久間さんでいいや、俺」


そう言って密着してきた佐久間。
なにそれ、自分で文句言ったくせに……って、え?

腰に大きく張ったものが当たる。
位置と感触的に間違いない。
佐久間のおっきくなってる?


「え、なんで?」

「なんでだろうね、俺もびっくり。
たぶん、いろいろ耐性がなさすぎた」

「なんの耐性?」

「メイクした仁奈と、名前呼びと、タメ口?」


それだけで勃った、らしい。
動揺して腰に当たるものを遠ざけようとしたけど、むしろ密着してきて逃げ場をなくそうとする。

何も言わずに服の上から胸を触ってきて私をその気にさせようとする。
こいつ、あんまり時間ないのにする気だ。


「やだ、せっかくメイクしたのに」

「でもたぶんヤらないとエンドレスでこうなる。それが嫌なら脱いで」


何がなんでもカニを優先したい私は「脱ぎません」と強い意志を示したけど、佐久間には無効だった。
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