都合のいい女になるはずが溺愛されてます
急に片手で顔を鷲づかみにされたと思うと、口内に舌が侵入してきた。
びっくりして押しのけるけどビクともしない。
ああ、ダメだ。佐久間のペースに流されちゃう。


「仁奈って濡れやすいよね。キスだけでもうすんなり挿入りそう」

「音、やだっ、やめて!」

「顔が嫌がってないからやめない」


ワンピースをまくし上げて、ぐちゅぐちゅとショーツの中をまさぐる佐久間。
外に漏れ出る音に羞恥試が耐えきれなくてやめてと言ったのにやめてくれない。

「きもちーね」耳元で囁かれて抵抗する力が奪われていく。
足がガクガク震えて頭が真っ白になって、その拍子に腰が抜けた。

佐久間は「あぶね……」と抱きとめてそのまま横抱きにして寝室に向かう。
精一杯抵抗したのに結局こうなるんだ。


「仁奈、強引にされるの結構好きだろ」

「……嫌い」

「へえ、嘘つきには優しくできないな〜」


ベッドに運びながら図星を突いてきて、恥ずかしくて冷たく言い放ったのにすぐ嘘だとバレてしまった。
負けた気がして顔を逸らす。だけどベッドに下ろされ、すぐに組み敷かれて目を合わせた。
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