都合のいい女になるはずが溺愛されてます
ラストスパートをかけた残り3ヶ月。
ジムにエステに結婚式準備に両親顔合わせなど、忙しすぎてあれよあれよという間に時間は過ぎていった。

そして来たる決戦、結婚式当日。

13時からの式なので10時には会場について準備を始めた。
ヘアメイクさんには奥二重なのでアイテープで二重幅を広めにして、メイクは派手めでお願いしますと伝えてその通りにしてもらった。

結果いつも以上に化けたのでバッチリだと思う。


「どうですか?」

「……はぁ、かわいい。半年間頑張ったね、おかげでマーメードドレスすごく似合う」


それにしても、鏡越しにニヤニヤする佐久間と目が合ってちょっとやりづらい。
実はずっと後ろで食い入るようにメイクする姿を見ていた。
本人曰く『仁奈が綺麗になっていく過程を見たい』らしい。

だからファーストミートは両親にすることに。
私の両親は泣いて喜んでくれたけど、佐久間の両親はデレデレする佐久間を見て信じられないといった表情で凝視していた。


「グスッ……うっ、うう」


私のお父さんに関してはその後のリハーサルですでに泣きすぎだし。
なんだかんだ思い出に残りそうな結婚式になりそうだだと思いつつ本番を向かえた。
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