都合のいい女になるはずが溺愛されてます
side 佐久間


「ごめん仁奈!あと30分くらい遅れる!」


休日出勤だった土曜日、仁奈とデートの約束をしてたのに仕事が長引いて遅刻する羽目に。
仕事が終わって速攻電話したら「大丈夫ですよ〜」と気の抜けた仁奈の返事が聞こえた。


『じゃあ現地集合にします?』

「ああそっか、そっちの方がいいかも。分かった、じゃあ現地集合で!」


通話を終えて最寄り駅までダッシュ。
今日は映画デートだから絶対に上映時間には間に合わせないといけない。
なにせ前売り券買ってるし仁奈が楽しみにしてた映画だから。

6月のジメジメした湿気なんて吹き飛ばす勢いで走って、汗だくになりながらなんとか電車に間に合った。


《今日はこんな感じです》


スマホを確認したら仁奈が今日の服装を写真に撮って送ってくれた。
へぇ、透け感のあるトップスがエロくていい。
なんて送ったら未読無視されそうだから代わりに《写真ありがと、探しやすいわ!》と送っておいた。
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