都合のいい女になるはずが溺愛されてます
俺がどーでもいいとか言ったせいか、当日はパラパラと霧雨が降っていた。


「陸、次あれ食べよ。ふわふわかき氷!」

「仁奈ちゃん元気だね〜」


ところが仁奈は絶好調。
下駄をカラカラ響かせて屋台に並んで超ご機嫌。
やべ、相変わらずテンションの上がり方がかわいくてニヤニヤしてしまう。


「ねえ、ちゃんと手を繋いでください。逆ナンされても知らないから」


かき氷の屋台の並んで手を繋いできた仁奈。
へ〜、自分から繋げるようになったんだ。仁奈も進歩したじゃん。


「なんですかそのバカにしたような目は」

「なんでもなーい」


あえて言わずにいたら、仁奈の唇がどんどんとがっていく。
別に言ってもよかったけど、やっぱり仁奈のその顔が見たくなった。


「陸ってまだ私に秘密にしてることいっぱいあります?」


すると口をとがらせながらごにょごにょ聞いてきた。
あれ、そんなつもりなかったけど不安に思わせたっぽい。
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