都合のいい女になるはずが溺愛されてます

その日、無理して業務をこなした私はクタクタで家に帰った。
風呂も入らずソファに横になる。
立っていられないくらいダルい。身体の節々が痛い。

もしかしてと思って試しに熱を計ってみたら38度もあった。
いやだなぁ、こういう時にひとりって。

とにかくシャワーくらい浴びたい。そう思ってる内にまぶたがくっついていつの間にか眠ってしまった。



手元の振動で目を覚ました。
あれ、スマホ鳴ってる？誰だろう。

そう思って裏返っていたスマホをひっくり返したら、ディスプレイに表示されていた名前は──佐久間。

……え、なんで？呆然と画面を見つめていたら通話画面が切り替わって振動が消えた。
そして1件の新着メッセージが届いた。


《まだ課長と飲んでんの？》


アプリを開いて確認したら佐久間からのメッセージで間違いなかった。
ていうか、まず飲んでないし。


《既読つくじゃん、電話出て》


返信しようか悩んでいたら新しいメッセージが送られてきて、また通話画面に変わった。
そう言われたら出るしかないじゃん。
仕方なく通話に応じた。