都合のいい女になるはずが溺愛されてます
「遠藤さんありがとう!助かったよ」


会議室のあるフロアからエレベーターでほかの階に行こうとしていたら、営業部の部長と出会った。


「部長、お疲れ様です。他にお手伝いできることはありますか?」

「もう大丈夫かな。いやー、営業部の仕事なのに総務の君にお願いしちゃってごめんね!」

「いいえ、お役に立てて何よりです」


手を合わせてごめんと謝る部長は20歳以上年上なのに腰が低い。
営業部のエースとか言われて調子に乗ってる佐久間とは大違いだ。

それにしても部長はやさしい。
『仕事はできるが愛想がない』と言われてる私に満面の笑顔で対応してくれるなんて。
おかげでほっこりとした気持ちで業務に取りかかれそうだ。
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