都合のいい女になるはずが溺愛されてます
その夜、求められた私はまた応じてしまった。
やることやって満足した佐久間はベットに横になってもう寝ている。
私はシャワーを浴びてから寝ようと思ってベットを抜け出した。

すっきりしてから部屋に戻って、佐久間の隣で寝ようと思ったら枕元に置いてある佐久間のスマホが光った。
メッセージが来たらしい。

私は通知画面に浮かぶ文字をなんとなく読んでしまった。



《陸、今度いつ会える?》



送り主は明らかに女の名前だった。



《早く会いたいよー、陸とイチャイチャしたい》



そのメッセージを読んだ時、何かがプツンと切れた。
あー、この血の気が引く感じ久々だな。

元カレの浮気発見した時がこんな感覚だったっけ?
血の気が引いたあと、心臓が痛いくらい脈を打ちつけるんだ。

……冷静になれ。佐久間は悪くない、だって私たち付き合ってないから。
それなのにどうしてこんなに腹が立つの?
分かってたじゃん、佐久間はそんな奴だって。

私たちの関係はただのセフレだって、それ以上でもそれ以下でもないって。
頭では分かってるのに、認めれば認めるほど泣きそうになるのはなんで?
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